情報記憶に関する心理学用語集

目次

カクテルパーティー効果

ざわざわと声が交じり合う騒がしい人込みの中でも、話し相手の声だけははっきりと聞き取ることができます。このことを欧米人が好む騒がしいカクテルパーティーにちなんで、カクテルパーティー効果といいます。

モンタージュ/再生

子供と大人とでは人の顔の識別能力が違います。大人は顔全体をひとまとめの印象にして人を認識(再認)することができますが、10歳程度になるまで完成されません。それまでは目や鼻や口などの顔の部分ごとに着目して人の顔を判断しています。これをモンタージュ、または再生といいます。

ネガティブ・プライミング

先行刺激が後続刺激の処理に抑制効果をもたらし、思い出しにくくさせる場合は、ネガティブ・プライミングといいます。

概念的プライミング

プライミング効果の中でも、ある概念を呈示したあとに自由連想テストなどを行った場合、呈示されたものは呈示されていない場合に比べて出現率が高くなることを指してこのようにいいます。

知覚的プライミング

プライミング効果の中でも事前に答えを見せることで、見せていない場合と比べて正答率が高まることを指してこのようにいいます。

プライミング効果

単語の記憶や連想の実験などで、先に与えられた情報(先行刺激)が、後に続く情報(後続刺激)の処理に無意識に影響を及ぼすことをプライミング効果といいます。

過剰負荷環境

音や目に見えるもの、熱や臭い、他人の行動など、人間が処理できる限界を超えるほど大量の刺激に囲まれた環境を過剰負荷環境といいます。このような環境に適応するため、人は自分が受ける刺激をなるべく軽減しようとします。

isa

ノードで表現された中でも関連性の高いものは近くに、関連性の低いものは遠くに配置されることによって、意味のカテゴリーごとに体制化されています。リンクにはノード間の関係性が記されていて、下位概念を表すときにはisaというラベルが付けられます。

ノード

意味ネットワークの中にある、楕円状の結び目のことをノードと呼びます。ノードとは接点のことで、単一の実態・属性・状態・事象などを表現しており、リンクと呼ばれる矢印によって結び付けられています。

意味ネットワーク

意味ネットワークとは、知識の表層をネットワーク理論を用いてモデル化したもので、コリンズらによって考案されたものです。

収束的思考

拡散的思考に対して、収束的思考はひとつの正しい解に向かう思考法で、公式を用いて計算をしたり、ある言い回しを使って文章を書いたりする能力のことです。従来の知能検査で測られていた知能と重なります。

拡散的思考

新しいものを創り出したり、創造的な課題の解決法を見つけ出したりする能力のことです。拡散的思考とは、与えられた情報からさまざまな新しい情報を作り出す思考法です。創造性はこの拡散的思考と密接に関係しているといわれています。

賞とは逆に、罰とは、反応の生起を弱めるための体罰や叱責などの嫌悪感のような刺激を指しています。

賞とは、反応の生起を強化するための褒め言葉やお菓子や金銭に関することを指します。

賞と罰

行動心理学における強化と罰にほぼ対応するものを、教育心理学では賞と罰といいます。

外発的動機づけ

他者や環境からの賞や罰によって行動を規定しようとすることを外発的動機づけといいます。外発的動機づけは一時的に効力を発揮しますが、人間が本来持っている興味ややる気を逆に低減する原因になることがあり、行動を長続きさせません。

内発的動機づけ

人間が本来持っている興味ややる気を刺激して行動を起こすことを内発的動機づけといいます。仕事が楽しくて働いている人は職場も楽しく長続きするものです。これは内発的動機づけです。

観察学習

自ら直接に経験して学習することを直接学習といいます。それに対して、他者(モデル)を観察することで行動を模範し学習することを観察学習といいます。

オペラント条件付け

オペラントとは能動的なという意味です。スキナーは条件付けには2種類あると考え、パブロフの犬の実験に代表されるような古典的条件付けをレスポンデント(受動的な)条件付けと呼び、有機体の自発的行動に着目する条件付けをオペラント条件付けと呼びました。

古典的条件付け

古典的条件付けとして有名なものに、パブロフの犬の実験があります。この実験の犬は、肉粉を与えられるとき、決まってメトロノームの音を聞かせられました。これを繰り返していくうちにメトロノームの音を聞くだけで唾液を出すようになりました。

アルコール・ブラックアウト

深酒により記憶を喪失することをアルコール・ブラックアウトといいます。酔った状態で記憶したものをしらふの時に思い出そうとすると記憶の再生能力が落ち、反対に、しらふのときに記憶したものは酔った状態では思い出しにくくなることがわかりました。

メモリーブロック

喉まで出掛かっているのに、どうしても思い出せないことをメモリーブロックといいます。これは緊張している時や疲れているとき、体調の悪いときに起こりやすくなる現象です。

マジカルナンバー

短期記憶において一度に処理できる最大の情報量、つまり見たり聞いたりして、一瞬のうちに理解できる数のことをマジカルナンバーといいます。

既知性効果

顔の記憶の特徴のひとつで、今更ながら当たり前のようですが、はじめて会う人よりは見たことのある人の顔の方が思い出しやすくなります。これを既知性効果といいます。

意味処理優位性効果

顔の記憶の特徴のひとつで、顔から受ける印象を性格特性と結びつけて覚える記憶のことを意味処理優位性効果といいます。

孤立効果

顔の記憶の特徴のひとつで、他の人とは違った形状をもつ顔だと覚えやすいことをいいます。形状の違いだけでなく、魅力的な顔であることも孤立効果として記憶されやすい効果を持ちます。

ジュメ・ビュ

デジュ・ビュに対して、何度も体験しているのにはじめての体験のように感じることをジュメ・ビュといいます。

デジュ・ビュ

新しい状況を過去に経験したことがあると感じることをデジュ・ビュといいます。別名、既視体験ともいいます。

記憶錯誤

経験したことが誤って追想されること、あるいは空想が混同されて記憶が歪曲されることを記憶錯誤といいいます。ちょっとした思い込みで記憶が歪曲されることは多いもので、誘導尋問によって証言が作られる可能性は以外に高いのです。

自伝的記憶

人が自分の生涯を振り返って再現する、個人的な記憶のことです。自伝的記憶は、強い感情や個人的な意味を含んでいて、アイデンティティと密接に関係しています。

フラッシュバルブ記憶

劇的で感情的な出来事がそっくりそのまま、写真のように焼き付け(閃光)られる記憶をフラッシュバルブ記憶といいます。ショッキングな場面で起こりやすいので、後にトラウマになる危険も含まれています。

エピソード記憶

宣言的記憶のひとつで、ある特定の出来事に関して記憶されるものがエピソード記憶です。ある時、ある場所で起こった事柄を手がかりに思い出すことのできる記憶のことです。

意味記憶

宣言的記憶のひとつで、一般的な知識としての記憶が意味記憶です。

手続記憶

宣言的記憶に対して、自転車の乗り方のように言葉では記憶されないものを手続記憶といいます。

宣言的記憶

長期記憶のひとつで言葉によって記憶されるものが宣言的記憶です。宣言的記憶は、意味記憶とエピソード記憶の2つに分類されます。

長期記憶

いつまでたっても必ず思い出すことのできる永続的な記憶のことです。時として思い出すのに時間がかかることもありますが、一度、長期記憶に落ちた記憶は忘れることはありません。

短期記憶

認知的な作業をするために一時的に保持する記憶のことです。短期記憶は、計算したり、本を読んだり、あるいは推理をしたり、あらゆる認知的な課題を遂行するために、記憶を一時的に保持する作業台のようなもので、作動記憶とも呼ばれます。

感覚貯蔵の記憶

見たまま、聞いたままを保持する記憶です。感覚貯蔵の記憶は感覚的で短命な記憶といえますが、むしろ次々と忘れていかなければ困るものなのです。

記憶

過去に経験したことを必要に応じて思い出せるよう保持することを記憶といいます。しかし、人は経験したことをすべて記憶として保持し、自由に思い出せるわけではありません。

 

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