親子に関する心理学用語集

目次

中間子

三人きょうだいの真ん中にいる子どもを中間子と言います。両方のきょうだいの真ん中に挟まれている中間子は両方のきょうだいに負けまいと、自分を主張しないとやっていけない状態になることが多いのです。中間子の特徴として、(1)よく考えないうちに仕事を始め失敗することが多い。(2)面倒がらないで仕事を一生懸命にする。(3)気に入らないとすぐに黙り込む。などの性格的特性が挙げられます。

二人兄弟特徴の例外

二人きょうだいの上の子ども、下の子どもの性格特性における特徴は、長子的性格と次子的性格に分けられますが、この性格特徴は年齢差が2歳から4歳の時にもっとも顕著に起こります。ただし、お互いの名前で呼び合っているようなきょうだい関係の場合、この特性が当てはまることが少ないことが心理学者的見解となっています。

次子的性格

二人きょうだいの上の子ども、下の子どもの性格特性における特徴のひとつです。次子的性格の子どもは、おしゃべりであることが多く、人に褒められるとすぐ調子にのります。人まねが得意で、自分の考えを押し通す傾向があります。両親に甘え上手な点も傾向のひとつです。

長子的性格

二人きょうだいの上の子ども、下の子どもの性格特性における特徴のひとつです。長子的性格の子どもは、無口で人の話を聞くことの方が多く、仕事をする時に失敗しないようにする特性があります。何かをするとき、人の迷惑を第一に考え、面倒なことはなるべくしないようにし、欲しいものがあったとしても遠慮する傾向があります。

ストレンジ・シチュエーション

ボウルビィのアタッチメント(愛着)の理論に基づいて、アメリカのエインズワーズが乳幼児の母子間の情愛的結びつきの質を実験場面によって測定するために開発した観察実験法です。実験結果は、その文化圏によって異なるといわれ、母子関係はその国の育児に対する考え方や育児様式から影響を受けていると考えられます。

ストレンジ・シチュエーション

ボウルビィのアタッチメント(愛着)の理論に基づいて、アメリカのエインズワーズが乳幼児の母子間の情愛的結びつきの質を実験場面によって測定するために開発した観察実験法です。実験結果は、その文化圏によって異なるといわれ、母子関係はその国の育児に対する考え方や育児様式から影響を受けていると考えられます。

インプリンティング

鳥類には動くものの後を追うという生得的反応が備わっています。それがニワトリ、アリヒルなどの鳥ならばよいのですが、人間であっても同様な反応を示してしまうことがあります。気球や風船の後を追従してしまったりすることです。これをインプリンティングまたは、日本語で刻印付け、刷り込みといいます。この現象を人間発達にも当てはめ、生後しばらくの間にどの人が自分の親であるかが刷り込まれることもこれに該当するという考え方です。

二次的動因

生理的不快の軽減と母親の愛情表現が絶えず繰り返されると、やがて生理的不快の軽減ではなく母親自身の愛情を欲しいという欲求に変わっていきます。これを二次的動因といいます。

一次的動因

お腹がすいた、喉が渇いた、寒い、暑いなどの赤ちゃんの生理的欲求のことを一次的動因といいます。赤ちゃんの一次的動因を母親が満たす時に、多くの母親は愛情を持って子供に働きかけをします。

接触の快

接触の快とは、赤ちゃんが母親に愛着を抱くのは母親との身体的な接触であるスキンシップによるものであり、暖かみのある母親のぬくもりが子供の不安な気持ちを和らげてくれるということを意味しています。

ホスピタリズム

ホスピタリズムは、1930年代のイギリスで、子供が生まれた家庭以外の環境である乳児院や養護施設などで育てられた場合に観察された子供の発達特徴のことです。精神的に不健康な状態が発達の特徴として見られました。

マターナル・デプリベーション

幼いときに母親からなんらかの理由で離れて育った子供の中にはアタッチメントがどうしても築かれないケースも出てきます。このアタッチメントが築かれないことをマターナル・デプリベーション、母性的養育の喪失といいます。

アタッチメント

アタッチメントとは、人が生まれてから数ヶ月の間に特定の人、母親や父親との間に結ぶ情愛的な絆のことです。愛着とも言われている心の絆はその人の一生を支えていく大切なもので、イギリスの児童精神科医ボウルビィによって提唱されました。

生涯発達

生涯発達は、人として母親の胎内に受胎したときから死に至るまでの長い一生の間の発達のことを指しています。アメリカの心理学者バルテスは、発達は全生涯を通じて常に獲得(成長)と喪失(衰退)とが結びつき起きる現象であると述べています。これは人の発達は成長し発達するばかりでなく、衰退していくものも含めて考えるべきであるという視点です。

ビジュアル・クリフ

ギブソンとウォークは奥行き知覚が生得的なものであるか、乳児に対して行った実験結果が視覚的断崖、ビジュアル・クリフです。強化ガラスで平面でありながら床下が見える部分と通常の床である部分に乳児を乗せると、ガス面の手前でしり込みをして止まることがわかりました。乳児が運動視差などを手がかりに奥行き知覚を生理的に持っていることを示しています。

移行対象

ウィニコットが提唱した用語で、過渡対象とも呼ばれているのが移行対象です。赤ちゃんにとって、最初の自分ではない所有物のことを指してこのように表現されます。枕カバーや毛布のすみ、人形やぬいぐるみを肌身離さず大切に抱っこしたりする、自分以外の対象物へと関心が向かう自立性の芽生えが生まれてくる時期に現れてきます。

サイレント・ベビー

他の人だけではなく、自分の母親にも微笑まない赤ちゃんが増えてきているという報告が多くなってきています。小児科医の柳沢医師が「笑わない、泣かない、目を合わさない、赤ちゃんらしさがない」乳児のことをサイレント・ベビーと命名しました。

選択的な社会的微笑の段階

イギリスの自動精神科医ボウルビィは、子供の微笑にも発達段階があると説明しています。生後3ヶ月が経つと無選択的な社会的微笑の段階が終わり、選択的な社会的微笑の段階になります。この頃より、あやしかけに対し目を細めて微笑むことができるようになり、親などの見慣れた人に対してとくに微笑むようになります。

無選択的な社会的微笑の段階

イギリスの自動精神科医ボウルビィは、子供の微笑にも発達段階があると説明しています。生後5週間目までの微笑は自然発生的で、反射的な微笑の段階であり、お腹がいっぱいで気持ちがいいといった生理的満足感に起因し、睡眠時によく現れるものです。これを無選択的な社会的微笑の段階といいます。

赤ちゃんの個性

既に赤ちゃんのときから様々な個性があることを明らかにしたのは、アメリカの小児科医、トマスとチェスです。彼らによれば、人は生得的な気質を核としてもっていて、そこに環境要因が影響を与えて性格が形成されていくことが明らかとなりました。

マグネット反射

人間に生まれつき備わっている反射行動のひとつがマグネット反射です。両脇を支えて立たせると脚が柱のようにまっすぐになる反射のことです。生後2~3ヶ月で消失するといわれています。

自動歩行反射

人間に生まれつき備わっている反射行動のひとつが自動歩行反射です。脇の下から支え立たせ、右足に重心をかけてやると、左足を前に踏み出し次に右足を踏み出す反射のことです。生後2~4週間で消失するといわれています。

口唇探求反射

人間に生まれつき備わっている反射行動のひとつが口唇探求反射です。口の周りを指先などで軽く触れると、その指を口でくわえようとする反射のことです。生後3~4ヶ月で消失するといわれています。

モロー反射

人間に生まれつき備わっている反射行動のひとつがモロー反射です。ドイツのモローにより報告された反射のことです。胸の前に何かを差し出すとそれに抱きつくように反応すること反射のことです。生後3ヶ月~4ヶ月で消失していきます。

バビンスキー反射

人間に生まれつき備わっている反射行動のひとつがバビンスキー反射です。新生児の足の裏をかかとからつま先にかけてこすると、親指が背屈し他の4本の指が開く反射のことです。生後8から10ヶ月で消失していきます。

把握反射

人間に生まれつき備わっている反射行動のひとつが把握反射です。手のひらを指で押すとその指を握る反射のことです。胎児期の8ヶ月ごろに出現し、生後3~4ヶ月で消失していきます。

原始反射

人間には生まれつき備わっている反射行動があります。新生児が生まれてから外界に適応していけるのもこの原始反射を使っているからといわれています。反射行動は把握反射、バビンスキー反射、モロー反射、口唇探索反射、自動歩行反射、マグネット反射に大別され、これらを総称して原始反射といいます。

就巣性

哺乳動物は大きく2つに大別することができ、そのひとつが就巣性です。妊娠期間が比較的短く脳髄が未成熟で生まれてくること、多数の子供が一度に生まれること、未成熟の状態であることなどの特徴を持っています。リス、ウサギなどが就巣性に属しています。

離巣性

哺乳動物は大きく2つに大別することができ、そのひとつが離巣性です。比較的長い妊娠期間を経て脳髄が発達して生まれてくることや生まれた子供がすぐに親と同じような行動がとれること(生まれてすぐ立ち上がって歩行できる等)などの特徴をもっています。馬、猿などの高等哺乳動物が離巣性に属しています。

生理的早産

人間が生理的に未発達な状態で生まれてくることを、スイスの動物学者ポルトマンは生理的早産とか子宮外の胎児期と呼びました。哺乳動物は離巣性と就巣性の2つに大きく分けることができます。高等哺乳動物である人間は離巣性に属していて、出世後1年近く経たないと親と同じように立ち上がったり、歩行したり、言葉を自由に話したりできません。他の動物に比べて未発達な状態で生まれてくることを生理的早産といいます。

世代間連鎖

虐待をしてしまう母親もまた自分の母親から虐待をされて育ってきている場合を世代間連鎖と呼びます。攻撃的な養育態度によって育てられた親は、その養育態度を幼いときから学習しており、自分が子育てをする場面になると、その学習された態度が現れてくるとかんがえられていること。

代理ミュンヒハウゼン症候群

ミュンヒハウゼは18世紀にいた男爵の名前です。通称“ほら吹き男爵”と呼ばれていました。自分を病人に見たってて病院を渡り歩く患者のことをこの男爵にちなんでミュンヒハウゼン症候群と名づけたことが由来。代理とつくのは養育者が健康な子供に危害を加え病人に仕立てて病院に連れて行き、自分が献身的に監護する姿を演出して見せる特殊型の児童虐待のことを指しているからです。

多重人格

トラウマのひとつとして、児童期の虐待と解離性人格障害つまり、多重人格を引き起こしてしまう恐れがあります。この解離性人格障害のことを指して多重人格と呼びます。

トラウマ

親から虐待を受けた子供の身体的な傷は癒えたとしても心に受けた傷は後々まで深く残り、児童期、青年期にさまざまな不適応行動を引き起こす場合が多く見られます。この心の傷のことをトラウマと呼びます。

ネグレクト

2000年に成立した児童虐待防止法の定義のひとつで、食事を与えないなど、児童の健康を脅かす親の行為をネグレクトと呼びます。

心理的虐待

2000年に成立した児童虐待防止法の定義のひとつで、暴言や差別など、心理的外傷を子供に与えることを指します。

性的虐待

2000年に成立した児童虐待防止法の定義のひとつで、性交、性的暴力、性的行為を強要することを指しています。

身体的虐待

2000年に成立した児童虐待防止法の定義のひとつで、身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴行を加えること。

児童虐待

2000年に成立した児童虐待防止法では保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者をいう)がその監護する児童(18歳未満)に対して行う行為のこと。

養護性

養護性は英語のnurturanceからきている言葉で幼いもの、小さなものを慈しみ育てるという意味です。父性・母性という言い方に変わって養護性を使うようになってきのも男性・女性の役割にとらわれずに父母が協力して子育てをおこなっていくべきであるという考え方が社会に広がってきたからです。

世代性

世代性とは次の世代の確立と指導に対する興味・関心のことであり、親が子供を保護して育てるために自分の資質・技能・創造性を十分に発揮して社会に貢献していくことを指しています。

少子化

少子化を示す数値は合計特殊出生率によって表されています。これは出生率の計算において分母の人口数を出産可能年齢の女性に限定したものです。日本経済や社会保障とりわけ年金問題、労働市場などにも深刻な影響を及ぼすといわれています。

妊夫の心理

これから親になろうとする男性のことを妊婦に対応して妊夫と呼ぶことがあります。男性心理を女性と同じようにはじめて親になるという経験から妊夫の心理にも注目していこうという動きが活性化されてきています。

 

【全記事一覧】

1.親子に関する心理学用語|心理学用語の要約
1.親子に関する心理学用語
2.分析に関する心理学用語|心理学用語の要約
2.分析に関する心理学用語
3.性格に関する心理学用語|心理学用語の要約
3.性格に関する心理学用語
4.睡眠に関する心理学用語|心理学用語の要約
4.睡眠に関する心理学用語
5.情報記憶に関する心理学用語|心理学用語の要約
5.情報記憶に関する心理学用語
6.視覚情報に関する心理学用語|心理学用語の要約
6.視覚情報に関する心理学用語
7.ビジネスに関する心理学用語|心理学用語の要約
7.ビジネスに関する心理学用語
8.印象に関する心理学用語|心理学用語の要約
8.印象に関する心理学用語
9.人間関係に関する心理学用語|心理学用語の要約
9.人間関係に関する心理学用語
10.心理学用語集の要約とは?|心理学用語の要約
10.心理学用語集の要約とは?
11.恋愛感情に関する心理学用語|心理学用語の要約
11.恋愛感情に関する心理学用語
12.結婚に関する心理学用語|心理学用語の要約
12.結婚に関する心理学用語