人間関係に関する心理学用語集

目次

QOL

quality of life の略です。物質的な豊かさだけなく、総合的に判断された生活の質のことです。生活における満足度は、決してお金に換算できるものではなく、自分の価値判断に沿った活動をどの程度できるかによっても変わっていきます。

コントラスト効果

高価なお店を見てきた帰りに安価な見せに立ち寄ると普段は手が出ない商品を安く感じられることがあります。これをコントラスト効果をいいます。不動産業界や自動車メーカーの営業マンはよくこの手を使って販売しています。

セルフ・ハンディキャッピング

失敗したときにその原因が自分の能力や意欲にあることがはっきりすると、自尊心が傷ついてしまいます。そのための予防線として、あらかじめ自分自身にハンディキャップをつけて自尊心を守ることがあります。これをセルフ・ハンディキャッピングといいます。

作話

ウソには、意図してつくウソの他に、病気による作話という現象があります。記名力障害、健忘、失見当を主症状とするコルサコフ症候群の患者や精神分裂病の患者の中には、作話が多く見受けられます。

しぐさ

心理学の研究において、自分の気持ちを伝える情報発信能力は、顔、手、足の順に優れていることになっています。ところがウソがばれるときには、足、手、顔の順番でわかってしまいます。

自己成就予言

他者から得た情報によって、自分自身にある期待を持つと自己の言動がその期待に沿ったものに変わっていくことがあります。これを自己成就予言といいます。

中心語

アッシュは印象形成にはいろいろな性格特性が均等な重みで関与しているのではなく、暖かいや冷たいなどのある特定の特性が中心的な機能を果たしていると考えました。このような特性を持つ語のことを中心語といいました。中心語を上手く使って相手に情報を与えれば、同じ情報であっても受け手の印象を操作できるわけです。

ランチョン・テクニック

連合の原理を利用して、軽い昼食(ランチョン)をとりながら会議をしたり、交渉ごとを有利に進めようとすることをランチョン・テクニックといいます。政財界では、立派な会議室があるにもかかわらず、交渉を有利に進めるために高級レストランや料亭で会合を開くのはこのためです。

連合の原理

おいしいものを食べるとそれだけで幸せな気持ちになることがあります。おいしい食事の快体験は、後日、食事中のさまざまな記憶と結びついて再生されます。その結果、おいしい食事をしたあとは、食事を共にした人々や、そのとき交わした会話までがよい印象として蘇ります。これを連合の原理といいます。

両面提示

ブーメラン効果を引き起こしてしまった場合は、はじめからプラス情報もマイナス情報も両方を伝えてしまうことが予防策となります。これを両面提示といいます。

ブーメラン効果

相手が自分と違う立場なら、プラス情報だけ伝えることはかえって説得する側の利益を疑われかねません。場合によっては、説得者の意図と反対の方向に態度や意見を変えてしまうことをブーメラン効果といいます。

一面提示

相手によって、また内容によっても、最適な説得方法は違ってきます。相手が自分と同じ立場で同じ考え方なら、プラス情報だけを伝えることが効果的な説得方法になります。これを一面提示といいます。

接種理論

病気に対する抵抗力をつけるために予防接種をすることがあります。この原理と同じように、あらかじめ反対意見に対する抵抗姿勢を訓練することで、説得対する免疫力を高めることができます。これを接種理論といいます。

協力行動の妨害

パニックを引き起こす原因のひとつに、協力行動の妨害が考えられます。これを実証するためにミンツは、口が狭くなっているビンの中から、一度に多数の被験者がアルミニウムの円錐体を取り出す実験を考案しました。自己中心的な被験者の妨害行為で競り合いを引き起こしたので、これを協力行動の妨害といいます。協力行動が促されば円滑なコミュニケーションを取ることができます。

コグニティブ・マップ

空から眺めた俯瞰地図を頭に思い描くことを認知地図、つまりコグニティブ・マップといいます。なじみのないビルに入るときに非常口の場所を確認してみたりすることです。あらかじめこの地図が頭の中に描けているだけでも、いざという時に余裕ができるものです。

認知的構え

認知的構えを養うことで、パニックを未然に回避することができます。認知的構えは事前に最大限の想定されることを意識の中で追体験することで、冷静な状態でいられることを指しています。

表出的モッブ

表出的モッブは、心に感じた興奮を表出したいという欲求を持っているだけで、不安や恐怖から逃れるための欲求や、特定の相手に向けられた攻撃欲求はありません。スポーツ観戦やライブの盛り上がりであげられる歓声、狂喜乱舞する群集のことです。

獲得的モッブ

獲得的モッブとは、打ち壊しをして獲得行動を達成しようとすることです。獲得行動を阻むものが現れれば、攻撃的モッブと化して障害になるものを排除しようとします。

攻撃的モッブ

攻撃的モッブは、欲求を阻害しているものを暴力的行為によって除外しようとするものです。対象が少人数であればリンチであり、他人数であればテロ、敵対的群集同士が互いに攻撃しあう場合は暴動といいます。

会衆

パークとバージェスは群集を能動的な群集と受動的な群集に分類しました。モッブに対して、受動的な群集を聴衆あるいは会衆(audience)といいます。

モッブ

パークとバージェスは群集を能動的な群集と受動的な群集に分類しました。能動的な群集を、mobileという単語を省略してモッブ(mob)といいます。

アジテーター

感染説の中で群集が反社会的行動を起こしやすくなり、ついに暴動の引き金が引かれることがあります。この引き金を引く人をアジテーターといいますが、アジテーターになる人には、もともと攻撃的であったり、社会に不満を持っている人が多いといわれています。

感染説

共感による情緒の伝達がまるで感染するかのごとく急激に拡大し、その反応は増幅されます。そうなると社会的抑制力が低下して自我感は弱まり、責任感が喪失して攻撃性が増していきます。

ミリング

羊や牛の群れが大きな円を描いて廻りながら周囲の固体を取り込んでいく過程をミリングといいます。群集はこのミリングのように、単なる傍観者であった人々を巻き込んで相互に興奮を高めながら、渦巻状の影響の環を広げていくことがあります。

パニック

キャントリルはパニックに陥った人たちの感受性と学歴の関連を調査しました。感受性の強い人ほど、また学歴の低い人ほどパニックに陥りやすかったと報告しています。

匿名性の理論

匿名性は人を孤独にもし、大胆にもさせます。これを匿名性の理論と呼びます。開放感や興奮、逃避など様々な人間心理が生み出す行動のことです。

バンドワゴン・アピール

祭りを盛り上げるために、賑やかな笛や太鼓の楽隊を乗せて練り歩く車をバンドワゴンといいます。派手な楽隊の音が近づいてくるだけで、気分は高揚して街は祭りのムード一色となります。これらに習って、人の心を掌握するために派手なアピールで周囲を盛り上げることをバンドワゴン・アピールといいます。

同調性の原理

TPOや流行に合わせて服装を替えたり、知らず知らずのうちに話し方まで集団に合わせて変わってしまうことを同調性の原理といいます。集団を維持するための斉一性の圧力が働くことで、集団の成員は自分の考え方や行動が大きく逸脱しないように統制されるからです。

デマ

流言とデマは似ているようで違います。デマとはデマコギーの略で、扇動政治の意味をもっています。故意のねつ造や悪意の中傷と知りつつ流される噂のことです。

流言とデマ

流言とデマは似ているようで違います。流言には悪意はなく、社会的な出来事に対して情報が不足している状況で流れる噂のことです。それは虚偽であるとも限らず、ときには公式発表よりも正しい場合があります。

ダブルバインド

分裂病家族のコミュニケーション様式に着目した理論で、ベイトソンが発表した行動科学誌に発表して話題となった概念です。言葉を中心とするコミュニケーションと、言葉以外の要素(表情、声の調子、動作など)が中心になるメタ(高次)コミュニケーションとを分けた論理のことです。言葉とメタ・メッセージの相矛盾したメッセージを同時に送るコミュニケーションをダブルバインド、日本語では二重拘束論理といいます。

人間界のルール集

アージルは日本を含めた4つの国で調査を行い、人間関係を円滑にするための普遍的な4つのルールを分析しました。プライバシーの尊重、相手の目を見て話すこと、秘密の話は他人に漏れないようにすること、人前で相手を批判しないことを挙げています。

心理発生的欲求

マレーは社会的欲求のあり方そのものが、その人の人格を表現していると考えました。欲求に対して圧力の存在も人格を考える上で重要なポイントと考えました。圧力とは、環境内の対象や環境が固体に及ぼす、あるいは及ぼすことのできる効果のことです。これらを総合して分類された欲求のことを心理発生的欲求といいます。

社会的欲求

欲求とは行動を発現させる内的状態のことをいいます。この中でも、後天的に獲得された状態を社会的欲求といいます。

一時的欲求

欲求とは行動を発現させる内的状態のことをいいます。この中でも、生得的で固定的なものである状態を一時的欲求といいます。

自己実現欲求

生理的欲求、安全欲求、愛と所属の欲求、承認欲求が満たされると、最高層にある自己実現欲求が生じます。好きなことをやって評価されたい、自分の持つ可能性を信じて最大限に発揮し、人間らしく豊かに成長しようというある種“成功者”が得ることができる欲求のことです。これを自己実現欲求といいます。

承認欲求

他人から尊敬されたい、有能でありたい、支配したいなどの自尊の欲求はごく身近にいる人たちから認められたい、認めていると言ってもらいたいという欲求です。このことを承認欲求といいます。誰かから感謝されたいと思う気持ちもこの承認欲求に入ります。

愛と所属の欲求

家族や友達(仲間)、恋人関係など人間はどこか愛情を持って参加していたい意識を持っています。これを愛と所属の欲求といいます。愛されたいという愛情の欲求を満たすことで精神の安定を得ようとする領域のことです。

安全欲求

今日生きることができれば明日も生きたいと思うことでしょう。明日、生きるためには最低限安全に今日を過ごすことが必要となってきます。それを安全欲求といいます。生理的欲求と安全欲求は、日本では満たされているため心理カウンセリングにこの段階で訪れるクライアントは非常にまれです。

生理的欲求

人間は今日生きることさえできなければ明日や未来のことさえも考えることができません。最低限生きるために必要だと思える欲求のことを生理的欲求といいます。

欲求段階説

心理学者マズローは、人間は自己実現に向かって絶えず発達し成長するものと考え、人間のもつあらゆる欲求を5つに分類しました。分類はピラミッド型の階層構造によって成り立っている論理です。

【全記事一覧】

1.人間関係に関する心理学用語|心理学用語の要約
1.人間関係に関する心理学用語
2.心理学用語集の要約とは?|心理学用語の要約
2.心理学用語集の要約とは?
3.恋愛感情に関する心理学用語|心理学用語の要約
3.恋愛感情に関する心理学用語
4.結婚に関する心理学用語|心理学用語の要約
4.結婚に関する心理学用語
5.親子に関する心理学用語|心理学用語の要約
5.親子に関する心理学用語
6.分析に関する心理学用語|心理学用語の要約
6.分析に関する心理学用語
7.性格に関する心理学用語|心理学用語の要約
7.性格に関する心理学用語
8.睡眠に関する心理学用語|心理学用語の要約
8.睡眠に関する心理学用語
9.情報記憶に関する心理学用語|心理学用語の要約
9.情報記憶に関する心理学用語
10.視覚情報に関する心理学用語|心理学用語の要約
10.視覚情報に関する心理学用語
11.ビジネスに関する心理学用語|心理学用語の要約
11.ビジネスに関する心理学用語
12.印象に関する心理学用語|心理学用語の要約
12.印象に関する心理学用語